【5月18日】思い遣り
- 公開日
- 2023/05/18
- 更新日
- 2023/05/18
校長のひとりごと
本日は、雨が降るまではグラウンドをできるだけ使った練習ができるようにと、練習計画を急遽変更して、行っています。子どもたちは、ブロックアピールを仕上げるべく、みんなで力を合わせて取り組んでいます。少し雨が降り出しましたので、このあとは室内でのブロック練習となりそうです。子どもたち、最後の最後まで頑張れー!!
日本教育新聞の「校長講話」という欄に、東京都世田谷区立船橋中学校の菅野茂男校長先生という方の言葉が載っていましたので、抜粋します。
先日テレビで、ある外科医のドキュメンタリー番組を見ました。内視鏡手術の有名な先生で、通常1時間近くかかるの手術をたった5分で終わらせる驚異的な技を持っています。当然ながら評判を聞き付け、全国から患者が殺到し、4時間しか睡眠がとれていないと嘆いていました。
多忙を極める日々の中でさらにすごい点は、自分の技術を他の病院の若い医師に積極的に教えているところです。通常、有名な医師は自分の技術や腕を頼って、その病院に患者さんが来るため、そう簡単に自分の技を教えません。なぜ他の病院の医師に教えているのか。その理由を次のように説明していました。
「いくら名医でも、年間に手術ができる患者さんの数は限られている。たくさんの医師が、立派な腕を持っていれば救われる患者さんが増えるからです」
そしてなんと若手医師に伝えた最終試験は、自分が患者役になって口から内視鏡を入れさせ、実際に動かしてみて「合格、不合格」を決めると言っていました。映像では、目から涙を流しながら患者役でベッドに横になっていました。
この番組を見て、「思い遣(や)る」を考えました。単なる「やさしさ」とは違います。「思い遣る」の「遣る」は、大事な使命を派遣するの「遣」です。「遣(つか)わす」という漢字を使います。患者にとって最も大切なことは何かを考え、その心情に寄り添うこの医師の姿は「思い遣り」にあふれています。
小学校の優しい先輩が、中学校では「思い遣り」のある大人の先輩になっていたら、この学校への信頼度はさらに上がると思います。友達や先輩後輩との関わりで「『思い遣り』を持つ」とはどんなことか。自分の気持ちを相手に大事に届ける、という気持ちをもって人と接しているか。今の学校生活で大切にしてもらいたい視点を、今日は話しました。
私もその番組を見ましたが、「命」に直接関わる尊い仕事に、高い志をもって命がけで取り組まれてることに心からの敬意を持ちました。そして若い医師を育てるために自分の技術を積極的に教えていることに、そして自らが患者役を引き受けられることなどにたいへん驚きました。
菅野校長先生のおっしゃる「思い遣り」はとても大切です。子どもたちが、自分の気持ちを相手に大事に届けるという気持ちをもって人と接することを意識して学校生活を送ることができるように私たちも支援していかなければなりません。
私は、思い遣りとは「相手に思いをやること」、「相手への立場に立って何が必要であるかを考え行動すること」「相手の思いや状況を察すること」…と考えています。要するに「相手意識」だと思っています。それが、「思い遣り」のある行動に繋がるし、「目配り・気配り・心配り」のできる人へと繋がっていくのだろうと思います。小さいときから、誰しもが何度も何度も聞かされ聞いてきた「思い遣り」について、改めて考えることも大切かもしれません。