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【10月2日】自己ベスト

公開日
2023/10/02
更新日
2023/10/02

校長のひとりごと

 一昨日から、中体連の新人大会がスタートし、各競技で熱戦が繰り広げられています。勝つこと、入賞すること、上位大会に進むことなど目標をもってこれまで努力してきていると思います。しかし、どのような結果になっても、自己ベストを尽くして臨むこと。そして、来年の夏の大会へと繋がっていくような大会になればと思っています。
 かわいい犬の写真とともに私たちの背中を押してくれるような言葉が並ぶ本があります。『人生はワンチャンス!』(文響社)というものですが、その中に「世界記録より自己ベスト」というタイトルでイチローさんのエピソードとともに載っているところがあります。

 まだ、イチロー選手が日本のプロ野球チームにいた頃の話です。ホームラン王争いのトップに立っていた選手が、その重圧をイチロー選手に吐露したことがありました。するとイチロー選手は「ホームラン王になりたくて野球をやっているんですか」と聞き返したそうです。
「誰かに勝ったときではなく、自分が定めたものを達成したときに満足できる」
これはイチロー選手の言葉ですが、彼が大リーグで84年間破られることのなかったジョージ・シスラーのシーズン最多安打の記録を破ることができたのも、記録より自分との戦いに重きを置いていたからなのかもしれません。他人と比較したり勝敗にこだわるのではなく、まずは自分のベストを引き出すことに集中してみましょう。

 昨日、アジア大会の卓球女子シングルス準決勝の試合を途中からではありましたが観ました。日本代表の早田ひな選手が、世界ランキング4位の中国の選手にフルセットの末、勝利しました。決勝では世界ランキング1位の中国選手に1-4で負け、銀メダルとなりましたが、それでも立派な銀メダルだと思います。
 準決勝は、ゲームカウント2-3と相手にリードされながら、しかも第6ゲームも最終ゲームもジュースとなり、相手にマッチポイントを握られる場面があっても、それを乗り越え、フルセットでの勝利となりました。その両選手のラリーの凄まじさ、そして、早田選手の追い込まれても絶対に諦めない前向きな表情、姿勢、強気のプレーに心から感動しました。
 きっと、日頃の練習からくる自信、自分自身を限界まで追い込み、そして決して諦めない気持ちが、あのような試合をさせるのだろうし、それが早田選手の強さの秘訣だと思います。早田選手は以前、こんな言葉を言っています。
「誰にでもチャンスはある。そこを死ぬ気でつかみにいけるかどうか、自分との闘い」
「普通なら心が折れる状況でも、自分で変わりたいという思いや、自分だったら変われるという思いでやっている」
 自分の目標を明確にもつこと、まずは自分を信じ、自分自身と闘うことを大切にしているということでは、イチローさんも早田選手も同じなのかもしれません。

 今週も新人大会は続きますが、それぞれが目標をしっかりともち、相手にのまれることなく、自分自身と向き合い、力を出し切ってほしいと思います。