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【11月29日】虚構

公開日
2023/11/29
更新日
2023/11/29

校長のひとりごと

 11月26日付の讀賣新聞のコラム『編集手帳』に次のようなことが載っていました。

 人工知能(AI)が感情を持ったり、夢を見たりするのは、SFの話。そんな考えがぐらついた。幻覚を見ることがあるという。第一人者の岡野原大輔氏が著書で実体験を紹介している。ある予想が載った論文を探すようシステムに指示したところ、有名な論文名が挙げられ、「引用部分」も示された。だが、実際の論文には、そんな箇所は存在しなかった(『大規模言語モデルは新たな知能か』岩波書店)。
 AIが、実在しなかいものを見てきたかのように回答する現象は「ハルネーション(幻覚)」と呼ばれる。人間の記憶違いと似た現象と考えられるが、解決策はまだ見つかっていない。画面上にたちまち現れる文章は、理路整然としていて偽物には見えないからやっかいだ。ブラジルでは、判例を探させた裁判官が、架空のものだとは気づかずに判決文に引用し、問題となった。
 AIのリスクを重くみる欧州連合(EU)は、厳しい法規制を議論している。対照的なのが日本で、政府は開発を優先し、規制に慎重だ。便利だが危険な新しい技術と、どう付き合うか、虚構[きょこう:つくりごと、いつわり]が蔓延(まんえん)した世界は、SFというよりホラーだ。

 どんな「問い」にも次から次に答えていくChatGPT(人工知能AIを使ったチャットサービス)…。すべての問いにもっともらしく答える人工知能は感動すら覚えます。作文や論文のタイトルを入れるだけで、ある意味立派な文章が出てきます。この文章が実際に本人が書いたものなのか、AIがつくったものなのかを判別することは簡単にはできないと思います。そのことが、本人にとって、相手にとってよいことなのかと言えば、それはまったくの別問題です。だからこそ、正しく使う、正しく向き合うことが大切だと思っています。そして、AIは万能ではないことも知っておくことも重要だと思います。
 以前も述べましたが、デジタルやAIはもちろん便利で有効活用していくことはとても大切なのですが、アナログなものやことを大切にすることも忘れてはいけないと思います。そして、アナログのよさを再確認する意味でも私は、デジタルやAIについてももっと学ばなければと思います(そう言いながら、ほとんどわかっていない私です…)