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【5月7日】ラーメンを食べてる時…

公開日
2024/05/07
更新日
2024/05/07

校長のひとりごと

 連休が明けました。今日から第54回体育祭の取組が始まりまず。午後から結団式、そして練習となります。子どもたちが目指す史上最高の体育祭へ向けて、リーダーたちが中心となって全校生徒を導いてくれるはずです。1年生にとっては中学生になって初めての体育祭、2年生にとっては2回目で中堅学年としての体育祭、3年生のとっては中学校最後の体育祭…学年は違っても、「全校生徒一人一人にとっての最高の体育祭」になるように、力を合わせ、励まし合い、精一杯に頑張ってほしいと思います。私たち教職員も精一杯のサポートをしていきます。
 さて、今朝の西日本新聞『春秋』からです。
 
 こどもの日の定番はかしわ餅やちまきだが、その土地に伝わる食べ物もある。長崎には餅粉とあんで作る鯉菓子(こいがし)があり、鯉の姿のリアルさに驚かされる。南九州では灰汁(あく)で炊いたもち米を竹皮に包んだあくまきも。
 ウクライナ、ガザで戦禍が子どもの未来を奪っている。10分ごとに1人の子どもが殺されているガザでは、空爆で亡くなった母の胎内から赤子が救出された。生を受けたのはわずか2日間。母の隣に埋葬されたという。子に平和な世界を。争いが続く中、そんな思いを託した絵本が読まれている。長谷川義史さんの「ぼくがラーメンたべてるとき」(2007年刊)もその一冊だ。表紙では大きなどんぶりを抱えた子がおいしそうにラーメンを食べている。
<ぼくがラーメンたべてるとき、となりでミケがあくびした>。同じ時間に、隣に住むみっちゃん、隣の国の男の子や女の子が何をしているかを描く。ページをめくると、ある国では水をくみ、牛を引き、パンを売る。そしてある国では、うつぶせで倒れたまま動かない子がいる。同時刻に、楽しく笑っている子がいて、食べられず声も上げられない子がいる。飢えた子や傷ついた子がニュースに映ると目を背けてしまう。何ができるだろうかと自問しても、答えを見つけるのは難しい。
 ぼくが、私たちがラーメンを食べてる時、あの子はと想像したい。未来は子どもたちのためにある。

 体育祭の練習ができる。友達、先輩、後輩とひとつの目標に向かって頑張ることができる。こんなに幸せなことはありません。
 子どもたちと一緒に汗を流すことができる。子どもたちと共に活動できる。私たちにとってもこんなに有り難く幸せなことはありません…

 世界の飢餓人口は8億人を超え、9人に1人といわれています。そのうち1億5千万人以上の子どもたちが発育阻害にあるそうです。その数字を知るだけでも、私たちがいかに恵まれているかがわかります。そして今、この時にも、学校にも行けず、命の危険にさらされ、恐怖におびえている子どもたちがいます。何より、命を奪われる子どもたちがいます。10分に1人の子どもが命を落としていく戦場…。それを思うと本当に苦しくなります。何ができるか…といわれてもなかなか正解がわかりません。
 だからこそ、今生きていることに感謝をし、未来を担う子どもたちとともに精一杯生きていきたい。そして、子どもたちには「感謝」の気持ちをもちつつ、失敗を怖れず前向きに様々なことにチャレンジし、自分の可能性を信じ、成長し続けてもらいたい…そう願います。今日からの体育祭練習、子どもたち一人一人が輝きますように…