【12月19日】まもなく一年…
- 公開日
- 2024/12/19
- 更新日
- 2024/12/19
校長のひとりごと
12月18日付の読売新聞のコラム『編集手帳』からです。
親知らずだろうか、虫歯だろうか。俳優にして、俳人でもある冨士真奈美さんに痛みからの解放をうたう一句がある。
〈歯を抜いて怖いものなし冬景色〉
痛みがとまって、荒涼とした冬景色さえ明るく見える心持ちは、多くの方がかるわかるとうなずくところだろう。歯磨きで口の内部を清潔に保つ「口腔ケア」は日常生活はもちろん、災害の後に被災者を守る取り組みとして重要性が高まっている。口腔内の衛生状態が悪くなると、細菌が増える。とりわけ高齢者は、細菌が唾液とともに肺に入ることが原因となる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を発生しやすくなる。
能登半島地震で、石川県内の災害関連死が241人を数え、直接死228人を超えた。肺炎は少なくとも37件確認されている。水道の復旧には5か月を要し、心身に過酷だった。口をすすぐこともままならなかった月日が悔やまれる。9月の大雨の爪痕も被災者の健康をさいなやんでいる。がれきからはほこりや粉じんが舞い、気管支炎やぜんそくの患者が急増しているという。
元日を迎えれば地震から1年となる。能登の冬景色はまた、住民の痛みとともにある。
自然災害というものは、起きたときに多大な被害をもたらす。しかしながら、そのあとの人々の日常生活の当たり前を奪い、健康を奪い、命をも奪う。そして、その改善や復旧・復興には多くの時間を要するということです。毎年のようにどこかで起きる自然災害。決して他人事ではありません。いつ、どこで起きても不思議ではない状況です。日頃からの備えや準備はもちろんのこと、被災地への支援も含めて私たちみんなが真剣に考え行動することが求められます。
今年のスタートは、1月1日の能登地震の衝撃的で悲しいニュースに心を痛めました。ですから、「明けましておめでとうございます」という言葉もはばかられました。今年も残すところあと2週間ほど…。まだまだ能登の復興・復旧は続きますが、すべての人が少しでもあたたかで穏やかな年末年始を過ごせるように心から願うばかりです。
◆明日、本校体育館にて、1年生対象の「日赤×KBC防災出前授業」が行われます。10時から日赤の方のご講話とご指導による救命救急の実践、11時からはKBCアナウンサー 長岡大雅さんの「防災について」のご講話です。この様子は、昼前のKBCテレビのニュースそして、長岡大雅さんがMCをつとめるKBCテレビの「シリタカ!」で放送される予定です。この機会に1年生の皆さんが、防災や減災について、また、どのような行動をとればよいのかなどたくさんのことを学んでくれたらと思います。
貴重な機会を与えてくださったKBCの報道制作局・防災ネットワーク主幹兼解説委員の太田祐輔様をはじめ関係の皆様に感謝いたします。明日はどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m