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【6月19日】ネット

公開日
2024/06/19
更新日
2024/06/19

校長のひとりごと

 今日で「福岡大空襲」からちょうど79年が経ちます。
 1945年の6月19日夜10時すぎ、次々に飛来するB29から落とされる焼夷弾によって、福岡の街は火の海となりました。被災面積は3.78km2に及び、被災戸数1万2,693戸、被災人口6万599人を数え、死者902人、負傷者1,078人、行方不明者244人を出しました。西部軍関係の施設を始め、官公庁、学校、会社、工場、商店街から一般民家に至るまで、多数の建物が被弾炎上し、交通、通信、電気、ガス、水道などの公共施設も甚大な被害を受け、都市としての機能は壊滅的な状態になりました。79年経っても世界を見渡せば、終わりなき戦争や紛争があります。今日も学校では授業が行われ、子ども達の笑顔を見ることができたり元気な声が聞けたりすることは本当にありがたいことです。「平和」というものがいかに大切であるか。そして、この平和は多くの命と人々の努力によって成り立っていることを忘れてはいけません。今日は「平和」について考える日でありたいと思います。福岡大空襲で犠牲になられた方のご冥福をお祈りいたします。

さて、話しは変わりますが、昨日の讀賣新聞の社説に「ネットの課金」のことが載っていました。

 保護者の知らない間に子どもがスマートフォンのオンラインゲームに、多額のお金を使ってしまうトラブルが増えている。家庭で使い方のルールを事前に決めておく必要がある。国民生活センターによると、子どもがゲームに高額な課金をしてしまったなどの相談が昨年度、4200件を越えて最多となった。最近のゲームは、はじめは無料でも遊んでいるうちに追加料金を求められることが多い。寄せられた相談の1件辺りの課金額は、平均約30万にも上るという。国の調査では、10歳以上の小中高生の大半がインターネットを利用しており、9割以上が自分のスマホを持っている。相談件数は氷山の一角ではないか。
 親が子どもにスマホを貸した際、登録してあったクレジットカード情報が利用されるケースなども目立っている。子どもがスマホのパスワードを勝手に変更して課金したこともあったという。親が使わなくなった端末にアカウントとクレジットカード情報が残っていて、それらが使われた例もある。支払いに必要な指紋認証の方法を子どもた友達から聞いて、自分の指紋を追加登録していた。ネット上にも、パスワード変更や指紋登録の方法を教えるサイトや動画があふれている。
 デジタル社会に育つ子どもたちにとって、友達やネットの情報で端末を操作するのは、大人が考える以上に簡単なことなのだろう。保護者は、子どもが多額の課金をしていた事実を、請求が届いてから知ることが多い。同じことはネット通販などでも起こりうる。保護者の同意がない未成年者の高額契約は一般に取り消しができる。ただ、子どもの行為であると証明ができなければ、返金されないこともあるので注意が必要だ。子どもに自分専用のスマホを持たせる時は、課金につながる情報は登録しないことが重要だ。…(後略)…

 ネットゲームは、課金したくなるように上手につくられていると聞きます。ですから、一度はまってしまうとやめられなくなってしまうのでしょう。ネットゲームだけでなく、中学校でもスマホ等のトラブルは後を絶ちません。特に、SNSを使ったトラブル、ネットやゲーム依存によって生活のリズムが崩れ、日常生活に支障をきたすこともあります。
 本当に便利な時代になりました。スマホやタブレットなど手軽で便利、一瞬で繋がることができる、しかも面白くて興味をひくものが世の中には溢れています。しかし、そんな便利なものと上手につきあっていかなければいけません。特に、子どもたちに持たせる場合は上記にも書かれているように、保護者の方がしっかりと話し合いをして約束やルールづくりをすることが大切なのだと思います。そしてもちろん、学校でもスマホやタブレット、SNSとの上手なつきあい方、向き合い方を学ばせる必要があります。これだけ、便利なものが溢れている時代ですから、使わせないのではなく、どのように上手に使っていくかを教えるべきだと思います。

 以前紹介したアンデシュ・ハンセンさんの『スマホ脳』の著書では、スティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にスマホなどのデジタル・デバイスを与えないことが紹介されていました。その理由は、睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存などの大きな問題があるからとのことでした。
 一人一人が、デジタル・デバイスとの向き合い方を真剣に考え、上手に付き合っていかなければと思います。