【6月27日】環境を整える
- 公開日
- 2024/06/27
- 更新日
- 2024/06/27
校長のひとりごと
今夜から明日にかけて警報級の大雨が予想されています。十分な備えをしつつ、被害等が出ないよう祈るばかりです。
さて、昨日に続き、日本のロングライフデザイン活動家でD&DEPARTMENT PROJECT代表取締役会長のナガオカケンメイ(長岡賢明)という方が書かれた本『ナガオカケンメイの考え』からです。
事務所の男子トイレにトイレットペーパーの芯が捨ててあった。明らかに替えた後で捨てた跡だ。それを拾ってゴミ箱に入れながら、ちょっと寂しい気持ちになった。ここが前に勤めていた会社だったら、そして、その時の僕だったら、自分が使っていてトイレットペーパーがなくなり、新しいものに替え、交換したことで発生した芯を、ポイッとこんな感じで捨てていることだろう。
「自分には関係ない」
そう意識したとたん、集団で使うものはダメになっていく。誰かが片付けてくれる。そう思うから、そのままほったらかしにしてしまう。そして、散らかったその場所にお客様が来て、「なんて汚い会社なんだ」と心の中で思い、その会社のランクがカチッと音を立てて、一目盛り下がる。そして、そんな会社にいた、ということが、みんなの履歴に残る。きれいな店はスタッフが使う場所もきれいだと思う。この芯を捨てたのが、自分の会社のスタッフであることは間違いないとして、そんな人はどんな仕事をするのだろうか、と、想像した。
落書きの多い街は治安が悪い。「こんなに、すでに汚れているんだから、ちょっとくらいいいだろう」という気持ちになるらしい。そして、壁の落書きはやがて人を傷つけても平気というふうに荒(すさ)んでいくという。
洗車したての車を運転する時、その気持ちよさから運転が丁寧になる。ひょっとしたら、ここに芯が捨ててあるということは、「こんなに荒んでいるのだから、こんなものを捨てても変わらないだろう」と、何かが思わせていることなのかもしれない。
自分の会社であるという前に、自分が、みんなが一日のほとんどを使っている場所である。きれいにしてきっちりとした仕事をしたい。そして、そういう意識が、同じ質の高いスタッフを呼び寄せ、より緊張と上質を体感できる場所を作っていく。
それには、まず、この捨ててある芯を拾う必要がある。
子どもたちに自分たちの使ったところを自分たちで分担し、心を込めてきれいにしましょう!と私たちは指導しています。では、職員室はどうでしょうか?自分自身の机や棚はどうでしょうか?そして、毎日使っているトイレはどうでしょうか?誰かが掃除をしてくれるから、誰かが片付けてくれるから…と片付けないままやり過ごしたり、汚したまま通り過ぎたりしていないか?…自分自身を振り返りました。
整理整頓された、掃除の行き届いたところで仕事ができることはとても気持ちがいいです。「人が環境をつくり、環境が人をつくる」という言葉もあります。これはもちろん、掃除や整理整頓のことだけを言っているのではありませんが、とても真理をついた素晴らしい言葉だと私は思っています。
大野東中では、毎日「プライド清掃」として、子どもたちが心を込めて掃除をしています。環境美化担当の先生方はもちろんのこと、用務員の方々、スクールサポートスタッフの方をはじめたくさんの先生方が、校内美化や掲示物の工夫などに尽力していただいています。来校される方々に、「きれいな学校ですね!」「掃除が行き届いてますね!」と言っていただけるような学校にもっともっとしていかなければと改めて思います。