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【7月5日】力をつくす

公開日
2024/07/05
更新日
2024/07/05

校長のひとりごと

昨日、3年生の家庭科の授業の一環として昨年度も行った「子育てサロン」の授業を行いました。これは、「乳幼児とのふれあい体験を通して、かかわる楽しさや難しさを知るとともに、安全に配慮して乳幼児と関わる技能の基礎を学ばせること」、「乳幼児を育てる親との関わりを通して、家族の絆や親の思いに気づかせること」、「地域の方との関わりを通して子どもたちが将来の生き方を考えること」を目的として行っています。
 釜蓋区おひさま広場代表の三田さん、副代表の堤さん、大池区子育てサロン代表の田中さん、そしてチャイルドケアセンターの方にご支援をいただき実施しました。その様子を見せてもらうといつも思うのですが、中学生の子どもたちの表情がとてもいいということです。おだやかな顔、笑顔、キラキラとした表情、いきいきと一緒に遊ぶ様子が、本当に素晴らしくこちらまで自然と笑顔になります。三田さんに「いつもありがとうございます。子どもたちにとってたいへんかけがえのない学びになっています」と伝えると、『いえいえ、私たちがたくさんのことを学ばせていただいていますよ。そしてお母さん方にとっても、とてもよい機会となっています』と、話してくださいました。やはり、たくさんの人との関わりというものは本当にかけがえのない学びだと思います。子どもたちは、この授業を通して、自分自身を振り返るいい機会になると思います。「自分もこんな小さいときがあったんだよな〜、たくさん泣いてたくさん迷惑もかけたかな〜、それでもきっと親は一生懸命、愛情一杯に私を育ててくれたんだよな〜…」というようなことも考えると思います。子どもたちが、改めて親への感謝や支えてくださる人への感謝、そしてこれからの自分の生き方をも考える貴重な機会、経験となる「子育てサロン」の取組だと思います。支援してくださる皆様に、心より感謝いたします。12日、17日もありますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
 さて、松下幸之助さん著『道をひらく』の「力をつくして」からです。

 どんな仕事でも、一生懸命、根(こん)かぎりに努力したときには、何となく自分で自分をいたわりたいような気持ちが起こってくる。自分で自分の頭をなでたいような気持ちになる。きょう一日、本当によく働いた、よくつとめた、そう思うときには、疲れていながらも食事もおいしくいただけるし、気分もやわらぐ。ホッとしたような、思いかえしても何となく満足したような、そして最後には「人事をつくして天命を待つ」というような、心のやすらぎすらおぼえるものである。
 力及ばずという面は多々あるにしても、及ばずながらも力をつくしたということは、おたがいにやはり慰めであり喜びであり、そしていたわりでもあろう。この気持ちは何ものにもかえられない。金銭にもかえられない。金銭にかえられると思う人は、ほんとうの仕事の喜びというものがわからない人である。仕事の喜びを味わえない人である。喜びを味わえない人は不幸と言えよう。
 事の成否も大事だけれど、その成否を越えてなお大事なことは、力をつくすというみずからの心のうちにあるのである。

 どれだけ自分が一生懸命に取り組んだ仕事が「成果をあげた」のか「成功」したのかは数値で出ないものもありますし、わからないことがあります。それでも、力をつくし取り組むことが何よりも大切なことだと思います。そんな中で、誰かが「よく頑張ったね」とか、「素晴らしかったよ」とか、「ありがとうございます」とか言ってくれるならば、これほどありがたいことはありません。それはお金にはかえられないものです。
 これを読んでいただいている方々もきっとそれぞれの立場で、それぞれ精一杯の努力をされ、人のため、地域のため、社会のために毎日奮闘されていることだと思います。時々、疲れてしまうこともあるかもしれませんが、どこかで頑張った自分を少しだけ褒めてほしいと思いますし、必ず身の回りには支えてくれる人、評価してくれる人がいるはずだと私は思っています。それを信じて、今日もいろいろな事があったとしても、自分のできることに精一杯に取り組んでいきたいと思います。