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【7月16日】非効率

公開日
2024/07/16
更新日
2024/07/16

校長のひとりごと

 7月13日・14日は、12日の陸上競技大会に引き続き、他競技の筑前地区中体連の大会が実施されました。私は、ソフトテニス部団体の試合、そして女子バスケットボール部の試合の応援に行かせていただきました。ソフトテニス部は、県大会出場まであと一歩のところではありましたが、立派な筑前地区ベスト8でした。そして、女子バスケット部は見事、筑前地区優勝を果たし、7月末に実施される福岡県大会への出場が決まりました。本当におめでとうございます。その他の結果については、トップページに掲載いたしますが、子どもたちは、本当によく頑張っていました。たくさんの思いや決意を胸に、全力のプレーをしていました。何度も胸が熱くなる場面があり、本当に感動しました。
 残念ながら負けてしまって引退となって悔しい思いをした人もたくさんいるとは思いますが、全国優勝するチーム以外は、どこかで負けます。しかし、それまでにどれだけの努力をしてきたのか、頑張ってきたのかが大切だと私は思います。子どもたちのあの一生懸命な姿は素晴らしいし、これまで努力してきたことこそが、これから先の努力にも繋がると思います。きっと、これから苦しいことがあっても乗り越える原動力になっていると思います。また、次の目標へ向けて、しっかりと頑張ってくれることを期待しています。
 そして、いつも精一杯の応援と支援をしてくださっている保護者の皆様、ありがとうございました。保護者の方の応援の力は絶大です!今後とも子どもたちを様々な面で支援し応援していただきますようお願いいたします。本当にありがとうございました!
 最後に先生方…、休みの日であっても時間外でも子どもたちのために熱い指導をしていただきありがとうございます。先生方の指導が子どもたちにも伝わり、様々な素晴らしい姿となっています。今後とも子どもたちのために力を貸していただきますよう、よろしくお願いしますm(_ _)m

 さて、PHPという冊子に以前のひとりごとでも紹介した料理人の道場六三郎さんが寄稿されたものが載っていました。こんな言葉ではじまっています。
 
 真っ暗な夜のあとには、必ず明るい朝が来る。戦争の苦しい時代を生き延びてわかったことです。だからでしょうか、僕は、打たれ強いんです。どんなに苦しいことがあってもそれは今だけで、「なんとかなるさ」の精神で辛抱し、ささいなことではくよくよしない。「健康な体で生まれてきただけでも幸せ者なんだと」という両親の言葉を胸に、愚痴を言うこともありませんでした。

 道場さんは、料理人の修行を始めた頃は板長さんから理不尽ないじめのようなことにあっても決してあきらめず、認めてもらえるように自分自身を変えていく努力をされました。朝6時から夜11時まで一生懸命働き、人の何倍も努力したそうです。「きれいに速く」をモットーに、料理についてもそうですが、使ったものはすぐにきれいに洗い拭き上げる。冷蔵庫の中も常に整理整頓を心がけ、二人分働けるような生産性を意識して取り組んだところ、板長にも認められたとのことでした。また、道場さんは、二宮尊徳の「風呂の湯の哲学」というものも大切にされていたそうです。

 人間関係は風呂の湯のようなもので、自分の利益ばかり考えて湯を手前にかき寄せても、脇をすり抜けて向こうへ流れていってしまう。けれど利他の精神で相手のほうに押せば、湯はぐるっと回って自分のほうへ返ってきます。要するに、相手に何かしてもらおうと接するのではなく、自分から与えること。それが人間関係をよくする秘訣ではないでしょうか。僕は、近所の人と会ったときは自分から笑顔で「おはようございます」とあいさつします。「今日もお天気がいいですね」などと言葉を交わせば、おたがいその日はなごやかな気分でいられるのです。商売も同じです。自分の成功より、まずどうしたらお客さまに喜んでいただけるかを考える。「銀座ろくさん亭」を開いて53年になりますが、そのことだけは心がけてきたつもりです。…(後略)…

 常にお客さまが笑顔で帰っていただけるようにと“おもてなし”の気持ちを大切にされてこられた道場さんは現在93歳。人に喜んでもらうことが生きがいの道場さんは、常に新しいことにチャレンジしながら、これからも何かを差し上げられる料理人でありたいと話されていました。

 本当に素晴らしい心がけです。今までのひとりごとでもたくさんの方のことを紹介しましたが、やはりどのような世界であっても、「利他の心」を大切にされていることがわかります。現代は、「効率化」や「スピード」、「デジタル」がもてはやされている時代です。「利他の心」は、ある意味、「非効率」であったり「アナログ」であったりするかもしれませんが、その中にこそ、人を笑顔にしたり幸せな気持ちにしたりする真に大切なことがあるような気がします。