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【2月5日】六花

公開日
2025/02/05
更新日
2025/02/05

校長のひとりごと

 今朝の西日本新聞のコラム『春秋』からです。


 列島が最強寒波に覆われて2日目。きのうは鹿児島市内で西郷どん像が雪に降られ、北海道・帯広では半日で1メートル以上も積雪が増す記録的な雪に。1月の寒波をあっさり更新し、さらに強くて長いとの予報である。

 福岡市内では9年前の大寒波で水道管が3300件も破損した。凍結予防には新聞紙が役立つ。布や段ボール紙と一緒に水道管に巻き、メーターボックスには丸めた新聞紙をポリ袋に詰めて置くと効果的だ。今からでも対策を。

 ところで雪にはいくつもの呼び名がある。風花、天花、不香の花…。代表的なのは六花。北海道土産でも知られる名は雪が六角形の結晶を持つことからついた。結晶の形は121種に分類できるが、細かく見れば一つとして同じものはない。「雪は天から送られた手紙である」。世界で初めて人工の雪の結晶を作った物理学者、中谷宇吉郎はそんな言葉を残している。雪には「犬の伯母」の名もある。大好きな伯母が来ると子どもがはしゃぎ喜ぶように、雪が降ると犬は喜び駆け回る。そんな意味だ。たしかにふだん会えない親戚に遊んでもらい、お菓子をもらうのはうれしかった。

〈白雪の色わきがたき梅が枝に友待つ雪ぞ消え残りたる〉大伴家持。後から降る雪を待ち、解けずに残る雪を友待つ雪という。手紙であり伯母であり、雪にも友がいる。そう思えば、寒さにも少しだけ優しくなれそうだ。寒波は数日続きそう。


 雪は降り方の表現だけでも、「細雪」「粉雪」「小米雪」「灰雪」「吹雪」「斑雪(まだらゆき)」「牡丹雪」「にわか雪」「霙(みぞれ)」「霰(あられ)」「雹(ひょう)」…とあります。

 積もり方の表現では、「新雪」「深雪」「締雪(しまりゆき)」「粗目雪(ざらめゆき)」「冠雪」「綿帽子雪」「友待つ雪」「衾雪(ふすまゆき)」「こしまり雪」…。

 雪の時期の表現では、「初雪」「早雪」「初冠雪」「終雪」「涅槃雪(ねはんせつ)」「万年雪」「名残雪(なごりゆき)」「忘れ雪」「八日吹き(ようかぶき)」「三白(さんぱく)」…。

 そして、コラムにあるように雪そのものの表現も、「青女(せいじょ)」「六出(むつで)」「六華(りっか)」「銀花(ぎんか)」…。

 雪そのもの、降り方、時期などにこれだけ様々な表現があるということは、雪がそれだけ神秘的であり美しいものでもあるということだと思います。雪景色は何とも風情があり、“絶景”と呼ばれるものもたくさんあります。

 「雪が積もったら出勤が…」とか、「雪降ると寒いから…」とマイナスなことばかり考えてしまいますが、被害が出るような雪でなけば、少しはその風情を楽しめるくらいの余裕も持ちたいとは思うのですが…。

 皆さんはどう思われますか?