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【4月22日】すげー!

公開日
2025/04/22
更新日
2025/04/22

校長のひとりごと

 松浦弥太郎さん著『ご機嫌な習慣』の「『すごい』の感度」からです。


 大好きな友だちの話をしよう。彼はぼくと同い年だから、ちょうど50歳。立派な大人なのに、子どものように純粋で、天真爛漫なのが魅力。特にハラハラさせるのは、誰に対しても、いわゆるタメ語というか、言葉遣いが軽々しいのだ。しかし、不思議と怒る人は一人もいない。面白いのは、いつ挨拶をしても、何を語りかけても、彼の最初の返事は、「すげー!」なのだ。要するに、何を言っても、彼は思い切り感動してくれるのだ。笑顔たっぷりの「すげー!」は、人を全肯定する最強の言葉なのかもしれない。しかも、口癖ではなく、本気で感動と感激をしているから、言葉遣いがどうであろうと、そう言われた本人はうれしくなってしまうのだ。

 彼と一緒にいると、1分間に10回を超えているのではと思うほど頻繁に「すげー!」と言われるので、なんだか自信が湧いてきて元気にもなる。だから、彼のまわりはいつもたくさんの人が集まっていて、わいわいがやがやと笑顔でいっぱいなのだ。

 何があっても冷静であることが大人の証のようだが、子どものように純粋で、何でも「すげー!」と目を丸くして驚く彼を見ていると、うらやましく思うのだ。

 彼は人気のクリエイターだが、そんなふうに日々たくさんの感動をしているから、それがアイデアのもとになって、たくさんの人に「すげー!」という感動を与えているのだろう。

 ぼくは今日、彼のように「すげー!」と感動したことがあっただろうか。年齢とともに、心や気持ちの感動が落ちないように気をつけたい。しかし、「すげー!」って、ほんとうにすごい言葉だ。


 私は、4月最初に「教育目標」や「生徒の目指す姿、取組」などについて話をします。その話の最後に、「教師として大切なこと」として、「情熱」「感性」「専門性」の3つをとりあげます。子どもたちに対する「愛情」や教育への「情熱」があるのか?、そして絶えず「専門性」を磨いていく教師であるか?、そして何より、多感な時期の中学生と関わっていくときに、教師自身の「感性」を常に磨き続けているか?…。

 目の前の様々なことに純粋に感動できるとか、教師自身が「目配り・気配り・心配り」ができるとか、どんな困難があろうとも「しなやかな心」で乗り越えていくことが大切であると私は思っています。

 が…実際のところ、自分自身はどうだろうか?冷めていないか?子どもたちの小さな頑張りにも気付く感性をもっているか?、そんな小さな頑張りにも感動し、たくさん言葉で褒めているだろうか?感動をきちんと伝えているだろうか?…

 大野東中の子どもたちは本当に素直でまっすぐで素晴らしい。感性豊かで、何でも一生懸命頑張るし、どんどん伸びていく…。私たち大人が、もっともっと「感性」を磨き、感動し、それを様々な言葉で表現し、子どもたちに伝えていくことが大事だと、松浦さんの言葉から感じた私です。

 松浦さんもその友人の方も…「すげー!」


(ひとりごと 第1002号)