【10月29日】努力する姿は美しい
- 公開日
- 2024/10/29
- 更新日
- 2024/10/29
校長のひとりごと
田口佳史さんの著書『超訳 言志四録 佐藤一斎の「自分に火をつける」言葉』からです。
たとえば、幼い子どもたちが「自転車に乗りたい」「鉄棒の逆上がりができるようになりたい」と一生懸命なとき、何だか光り輝いて見えませんか?その輝きの源は「心」です。大人だって同じ。何かを成し遂げようと努力をしているとき、心が光り輝いている。その姿はとても美しいものです。このことを一斎は「言志後ろ録 三」でこう言っています。
自彊不息の時候、心地光光明明なり。何の妄念遊思有らん。何の嬰累罣想有らむ。
「心地光光明明(しんちこうこうめいめい)」、いい言葉ですね。字を見ただけで、心が清々するようです。逆を考えてみてください。悩み事があったり、迷いが生じていたりすると、心はどんより曇ります。いくら悶々としていても何も解決しないので、そういうときは何でもいいから興味のあることを見つけて、そこに意識を集中させてみてください。不思議と「妄念遊思(もうねんゆうし)」「嬰累罣想(えいるいかいそう)」、取るに足らない心配事やわずらわしい悩みが消え、心が晴れやかになります。
スポーツ選手は「来季の契約は大丈夫かな」なんて心配しながら、トレーニングをしているでしょうか。そんなことはありませんね。一心不乱にトレーニングに励んでいるはずです。このように努力のまっただなかにあるとき、ひとつのことに集中しているときは。ちょっとした悩みなどすっ飛んでしまうもの。
少しずつ努力を続け、その時間を少しずつ長くしていく。そうすれば悩みはなくなるし、美しい自分でいられます。
人は一生懸命さに感動します。一生懸命がかっこいいと私は思います。上の言葉にもあるように、ひらすらに、ひたむきに取り組んでいるときは、悩んでいることすら忘れ、一心にその目標に向かって頑張るのだろうと思います。時には「結果」がすべてと言われることもありますが、頑張る「過程」が私は大切だと思います。
先週の合唱コンクールであっても、子どもたちが努力している姿、心をひとつに一生懸命歌う姿こそ、素晴らしいと思いますし、結果が出なくとも、心の中に素敵な「宝物」ができ、そのことが次への活力になっていくと思います。そんなことを大切にする子どもたちをこれからも育てていきたいと思いますし、謙虚な姿勢でいつまでも成長できる自分でありたいと思います。