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【5月25日】集中力

公開日
2023/05/25
更新日
2023/05/25

校長のひとりごと

 体育祭が終わり、子どもたちは通常の学校生活を送り始めました。各教科等の授業に集中して取り組んでいます。来月中旬には、1年生にとっては初めての定期考査も実施されます。日頃の授業と家庭学習で着実に力をつけてほしいと思います。

 さて、日本教育新聞の「校長講話」というコラムに、今月18日にも紹介した東京都世田谷区立船橋希望中学校の菅野茂男校長先生の言葉が載っていましたので紹介します。

 今、日本の将棋界で歴代最年少の記録を次々と塗り替えている藤井聡太さん。実は、プロデビューしたのは中学2年生のときでした。その後、名だたる先輩たちを破り、史上初29連勝を果たしました。「天才棋士」といわれる理由として、マスコミがこぞって取り上げているのが、その集中力です。当時、藤井さんが通っていた中学校の副校長先生は、授業中でも集中し始めると身を乗り出し、「先生の話を聞いていた」という話をしていました。
 集中力は人間が誰でももっている力です。その集中力を生み出す脳には、最大で千億個の神経細胞があり、その10倍を超える数の細胞が、神経細胞同士を結びつける信号を送り、動かすためのエネルギーを運ぶ役目をしています。そのエネルギーの量がすさまじく、体重60キログラムの人間で体全体のエネルギー量の20%が約1200グラムの脳を維持するのに使われています。
 将棋の世界は、有段者や名人になると、ずっと座って考えているにもかかわらず、一局の対戦で体重が2〜3キログラム減るそうです。100手以上先を予測するといわれていますから、当然かもしれません。…(後略)…

 子どもたちだけでなく私たち大人であっても、「なかなか集中できない」ということがあると思います。あるサイトにはこんなことが載っていました。
「人間の脳は “集中しにくいつくり”になっているのです。集中力が持続しないことを悩む前に、本来人間の脳は勉強や仕事などに対して、“集中しにくいつくり”である点を知っておくべきです。脳の中で、『本能』『自律神経』『記憶』などの感覚的思考をつかさどる『大脳辺縁系』は、人間の生存本能に結び付いています。そのため、まわりで何かしらの異常が生じれば、即座に察知して自身を守れるよう、各所に注意を向けられるのです。また、近年の情報化社会により、現代人はテレビやスマホ、その他のさまざまな媒体から、常に多くの情報を受け取ります。このような状況において、まわりに注意を向けずに一点集中する姿勢は難しいでしょう」

 なるほどと思いますね。生存本能があるゆえに周りの小さな変化にも反応してしまう。また精神状態も大きく関わっていると思います。さらに、集中するには相当なエネルギーを消費するために、長時間は続かないということもあるでしょう。
 ちなみに「ベネッセ」のHPには、集中できない原因と改善策が書かれていました。
◆原因
「集中できない環境にいる」「精神状態が不安定になっている」「保護者が口を出しすぎている」「生活習慣や食生活が乱れている」「長時間同じ事をしている」
◆改善策
「遊ぶ時間、勉強の時間等のメリハリをつける」「睡眠をよくとり、適度に運動する」「タイマーを活用する(時間を決める)」「糖分を補給する」「集中力を鍛えるトレーニング(成功パターンをイメージする・目標を明確にする・ルーティーンワーク[決まった日常の行動]を身につける等)」「いくつもやろうとせず一つに決めて行う」…。

 さらに集中力を維持するために、「集中できる香りや音楽を利用する」、「目標や計画を立てる」、「満腹・空腹を避ける」などのことも書かれていました。
 子どもたちも、自分ができそうなところから実践して、限られた時間の中で集中して物事に取り組めるようになるといいですね。