【6月14日】余白
- 公開日
- 2023/06/14
- 更新日
- 2023/06/14
校長のひとりごと
月に1回程度の「未来志向力向上講座“にんげん学”」を昨日よりスタートさせました。これは、教師自身の様々な経験等(学生時代の話、人生で一番心に残っていること、私の大失敗、失敗から学んだこと、なぜこの職についたか、私が大切にしていること…)を大人として、同じ人間としての立場で語ることにより、子どもたちが勇気や希望をもてるように、また、子どもたちが未来へ向けて志をもったり、頑張る原動力となったりすることを目指して実施していきます。できるだけ多くの先生方に様々な話をしてもらい、私たち教師自身も互いに学び合いたいと思っています。「今日はどの先生の、どんな話が聞けるかな?」と楽しみになる時間になればと思います。
さて、将棋の世界では藤井聡太さんのことが常に話題になっていますが、将棋界のレジェンドである羽生善治さんのことが今朝の西日本新聞『春秋』に載っていました。
まだ450日以上あるのに1秒ずつカウントダウンが始まっている。日本将棋連盟の100周年特設サイト。対局中に棋士の持ち時間がじりじりと減っていくようなユニークな仕掛けに「参りました」と投了したくもなる。
前身の東京将棋連盟は1924年9月8日に発足。来年、100周年を迎える。大きな節目に備える時期に羽生善治九段(52)が新会長に就任した。将棋の各タイトルは通算獲得期が規定を超えると永世の称号を贈る。歴史が浅い叡王を除き、羽生さんは史上初、全七冠で永世となった。これまでに得たタイトルは歴代最多の99期。言わずとしれた「棋界のレジェンド」だ。複雑な曲面から大逆転する妙手は「羽生マジック」と呼ばれる。自著「直感力」では「もがき、努力したすべての経験をいわば土壌として、そこからある瞬間、生み出されるものが直感」とつづる。湧き上がる直感を信じる。結果に対する目標はほとんど立てない。10年後にはこうなっているかも、と思い描く自分になるのでは面白くない。だから「自分自身、思い通りにならないのが理想」なのだ。会長業務はかなり多忙のようだ。東京と大阪の将棋会館移転という大事業も肩にかかる。前人未踏の100期達成が難しくなったのではと心配する声も。しかし、そんな予想を裏切るからこその羽生マジックと期待したい。100期と100年。舞台は整った。
羽生さんの『直感力』の第二章「無理をしない」の最初のページには「余白がなければ、直感は生まれない。リラックスした状態で集中してこそ、直感は生まれる」と書かれおり、そのあといくつかのポイントが載っています。
◆直感を磨くためには、無駄と思われることも大切にする。無駄と思われるようなことも実は無駄でなく、続けているとそれらが何かの拍子で役に立つ
◆何も考えずに歩いたり、頭の中を空白にする時間をつくったりすることが大切。
◆何かを学び習得していくことは、集中する時間を少しずつ延ばしていくこと。子どものときには、5分しか集中できなかったものが、一生懸命に何かに取り組むことで30分、1時間、2時間…と長い時間集中できるようになる。そのためにも何もせず、ぼんやりと考えない時間をつくることがやはり大切。
◆モチベーションが上がらず、どうにもならないときはしばらく放っておく。ある意味、そういうことも受け入れる。また、世の中に“絶対”なんていうものはそうそうない。したがって完璧主義にならないことも大事。
とてつもない想像力(創造力)や直感力、洞察力、そして集中力で数々の記録を打ち立てた羽生さん。様々なプレッシャーとも闘いながら、レジェンドと言われるまでになられた羽生さんの言葉は、とても参考になります。ぜひ、一度読まれてみてはいかがでしょうか?
中間考査へ向けて、努力している子どもたち。空白やリラックスする時間もとりながら、集中して学習に取り組んでほしいです。