【7月18日】紡ぐ
- 公開日
- 2023/07/18
- 更新日
- 2023/07/18
校長のひとりごと
今朝の西日本新聞『春秋』に興味深いコラムが載っていました。
なぜメールアドレスに@(アットマーク)があるのか。1971年に電子メールを発明した米国の技術者レイモンド・トムリンソンさんは「コンピューターのキーボードを見ながら、名前と混同しない記号を考えた」という。一つのメールアドレスには「どこ」の「誰」に送るのか、二つの情報が要る。何かで区切らねば紛らわしい。軽い気持ちで選んだ@が今や、電脳空間で飛び交う膨大なメールの標準だ。その@がにわかに注目されている。新しい交流サイト(SNS)「スレッズ」がロゴマークに。1本のスレッド(糸)がくるっと回ったようなデザインだ。運営するのは米IT大手のメタ社。混乱続きのSNS「ツイッター」への挑戦か。ツイッター側はスレッズが知的財産権を侵害していると主張する。確かに見た目はそっくり。挑発し合う様子は2本の糸が絡み合っているような。
トムリンソンさんはある受賞スピーチで「自分が何をしたか理解していたか、とよく質問される」とジョークを飛ばした。開発から二十数年後、知人から感謝される。親戚が珍しい病気で、同じ悩みを抱える人とメールを通して出会えた、と。振り返ると「私がしたのはそういうことだった」
人と人を結ぶ真っすぐな糸を紡(つむ)いだ。2016年に他界すると、メールサービスのGメールはネット上で追悼した。「電子メールを発明し、@を世に出してくれてありがとう」
当たり前のように使っているメール。その中で「@」ってなんだろう?と時々思うことがありました(それ以上調べたりはしませんでしたが…)。
少し調べてみると、「アットマーク」とは和製英語であり、日本でのみ使用される呼び方。世界的な正式名称は「コマーシャルアット」ということです。ただ、英語でも「アットサイン」や「アットシンボル」と呼ばれたり、イタリア語・韓国語などでは“カタツムリ”、ドイツ語・オランダ語などでは“サルのしっぽ”、ギリシャ語では“小さなアヒル”など、その形から動物になぞられた呼び名も多くみられるそうです。また、「@」の由来は諸説あるが、書写をしていた中世の修道士が手書きによる負担を軽減するため、英語で言うと前置詞の「at」「to」にあたるラテン語の「ad」を略記したことから始まったとする説が有力だとのこと。その後、コラムにあるようにレイモンド・トムリンソンさんが使用したことで、インターネットの世界に広まっていったそうです。
私的にも公的にも一瞬で世界中の人と人とを繋ぐことができるたいへん便利なメール。文字や写真、映像、データなどを一瞬で送ることができますが、一番私たちが繋がなければいけないのは、人と人の「心の繋がり」なのかもしれません。トムリンソンさんの受賞スピーチでの言葉は、そのことを教えてくれている気がします。