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【9月4日】応援の力

公開日
2023/09/04
更新日
2023/09/04

校長のひとりごと

 スポーツ観戦も大好きな私は、バスケットボール男子W杯での日本代表の試合をテレビでしっかりと観させてもらいました。結果は2次リーグには上がれませんでしたが、アジア最上位となり、来年のパリ五輪出場を決めることができました。第4クォーターでの大逆転をして2度も勝つなど3勝し、感動的な素晴らしい試合でした。世界の中で、体格では差があっても、そのスピードと気力で負けない、何より互いを信じ決して諦めず、粘り強く戦う日本代表の選手たちのプレーに心動かされました。
 そして、多くの皆さんにも少なからず経験があるとは思いますが、やはり応援の力、声援の力は凄い!と改めて思いました。とりわけ、今回のアリーナでの応援は凄かった。その盛り上がりにも感動しました。インタビューなどで監督も選手も口々に、会場の皆さんの応援への感謝を伝えていました。応援してもらえるって本当に幸せです。だからこそ、応援してもらえるように日々努力しなくてはとも思います。

 さて、10月10日の「夢講座」に講師としてご来校いただく腰塚勇人さんの著書『今こそ大切にしたい共育』の中に「迷っていい」というところがあります。

 「世間では、迷いやブレることをすごく否定しますが、私は逆で、迷いやブレや葛藤を失ったひとはそこで成長は止まると思っています。むしろ迷っていない、ブレていない、葛藤していない人は真剣ではないと思います。本気になって生きるほど迷いはつきものです」と。
 私もこの人は! と思える尊敬できる人にたくさん出会いましたが、なぜ尊敬するかというとブレない信念と行動で物事を成し遂げたからではなく、常にブレ続け、迷い続け、葛藤し続け、いろいろなことを考えて自己否定を繰り返しながらも、今を生きるその真摯な姿勢に尊敬の念を抱いたからです。そんな中、今の私にドンピシャのメッセージを見つけました。
 多くの人が、活躍している人を見て「凄いな〜、ブレないで貫いているな〜」と思っていますが、実際は違います。常に迷い続け、ブレ続け、葛藤し続け自己否定・自己反省を繰り返し、成長を掴(つか)み、進化を掴み言葉をつくっています。実はどれだけ孤独で苦しんでいるかということです。
 表面上はニコニコしていても常に恐怖心と不安があります。真に成長を求めるなら常にブレ続け、迷い続け、葛藤し続け自己否定し続ける姿勢が大切だと思っています。
 大人だってブレまくっているんだから、君たち若者がブレているのは当たり前だ。いつだって「壁にぶち当たって」「凹んだっていいんだ」 たくさんの失敗を繰り返して本物になれるんだから、これからも大いにブレまくろうよ。尊敬する先輩の「柳の生き方でいいんだよ」「策はいくらだってある」この言葉を思い出しました。ありがとうございます。迷って、悩んでいるのは自分の人生と正面から向き合っているからです。

 ブレない信念、迷わない心…そんな言葉が素敵だと思い、そうありたいと思いつつなかなか思うようにはいきません。迷って迷って、そしてものすごく不安になったり、苦しくなったり…それも人間なのかとも思います。
 今回のバスケットW杯日本代表の中心選手として活躍した渡邊雄太選手は、「今回のW杯でパリ五輪の出場権を取れなければ代表を引退する」と宣言していました。出場権を決めた最終戦の勝利後のインタビューで、涙を流しながら「正直、不安もめちゃくちゃありました」と話していました。しかし、共に頑張る仲間や監督をはじめ、スタッフ、応援してくれるたくさんのファンのためにもと、苦しさと様々な葛藤を乗り越えての結果だったと思います。

 子どもたちにもたくさんのチャレンジをしてほしいと思います。一歩踏み出すときは多くの子どもたちが不安もあると思いますが、私たち大人が「どんなときも味方だから…」と背中を押してあげられるような存在でありたいと思います。
 2学期の子どもたちの様々なチャレンジを、これからも一番の応援者として少しでも導いていけるように頑張りたいと思った私です。