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【11月25日】敬意と配慮

公開日
2023/11/25
更新日
2023/11/25

校長のひとりごと

 今日午前中は、心の教育推進事業の一環である「道徳科」の授業公開、そして午後は大野城市民総ぐるみ防災訓練です。参観にはたくさんの保護者の方に来ていただきました。子どもたちは、保護者の方の久しぶりの参観のためか、いつもより緊張しているような様子でした。しかし、こうやって保護者の方々に子どもたちの様子を見ていただけることが、私はとてもありがたいと思います。この数年で200人近く生徒数が増加した(教職員もですが…)大野東中では、施設等においては非常に窮屈な状況ではありますが、少しでも工夫しながら教育活動や保護者の方の参観等も行っていきたいと思います。保護者の皆様、地域の皆様、今後ともどうぞ、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

 さて、多くの地域で紅葉の季節…ニュース等では、各地の賑わいの様子が報道されています。関連して今朝の西日本新聞『春秋』に次のことが載っていました。

 10月の訪日客は約251万人と、月別で新型コロナ禍前(2019年)を初めて上回った。円安の影響もあって、福岡市・天神でもスーツケースを引っ張る観光客を見かけない日はない。昨今の観光のキーワードは「サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」という。訪問客と観光地の需要を満たしつつ、環境や社会、経済への負荷に十分配慮した観光などと定義されている。今年、昨年と「世界の持続可能な観光地100選」に選ばれたのは熊本県小国町。オランダの認証機関「グリーン・デスティネーションズ」が景観や伝統の保護、地域経済への寄与といった基準で選定。小国町は、名所鍋ケ滝の入園に予約システムを導入して渋滞や混雑の解消につなげ、今年はわいた温泉郷の地熱発電を活用した取組が評価された。「町を世界に発信できるのは大きい」と担当者。国内では岩手県釜石市や鹿児島県・与論島なども名を連ねる。世界では、公共交通機関が発達し環境に配慮した宿泊施設も多いスウェーデン・ストックホルムなどが高評価を得る。
 観光の回復で地域経済が潤う反面、各地で「オーバーツーリズム(観光公害)」が深刻化。交通混雑やマナー違反などで住民の日常生活が脅かされている。日本政府観光局は「より責任ある旅行者になる」よう提唱する。旅先に敬意と配慮を忘れない。当たり前だが、怠りがちなことを肝に銘じたい。

 「オーバーツーリズム」という言葉が、最近頻繁に聞こえてくるようになりました。これは、「Over(許容範囲を超えた)」と「Tourism(観光)」を組み合わせた造語です。観光客の大幅な増加によって観光地が過度に混雑し、地域住民の生活や自然環境に悪影響を及ぼすような状態を指します。オーバーツーリズムによって、交通渋滞や騒音、ゴミの不法投棄、文化財への損傷などがあり、地域の生活環境や自然環境が悪化する。また、観光資源である文化財や自然が損なわれたり、地域が汚れることで、今後は観光客が減り、経済への悪影響などが懸念されています。
 たとえば、京都では年間約5000万人以上の観光客が国内外から訪れる日本を代表する観光地ですが、河原町や祇園、二条城周辺などの市中心部では、観光客による混雑やごみのポイ捨て、民泊の増加による騒音、急激な地価高騰が問題視されているそうです。また、住民からは、「市バスが混雑していて、地域住民が利用することができない」「人が密集しすぎて、古都本来の美しさが損なわれている」といった苦情も上がったり、外国人観光客が舞妓さんを追いかけて私道に侵入したというトラブルも相次いでいるそうです。

 これは、日本での外国人観光客だけの問題ではなく、世界的な問題であるし、私たち日本人も、他人事ではなく、自分事として考える必要があるのだと思います。コラムにあるように、「敬意」と「配慮」をもつこと。すなわち、旅先であっても、相手意識や周りへの配慮、そして「ひと・もの・こと」への感謝を決して忘れてはいけないと、私たち一人一人が肝に銘じておくことが大切だと思います。