【12月12日】耳を傾ける
- 公開日
- 2023/12/12
- 更新日
- 2023/12/12
校長のひとりごと
デール・カーネギー(1888年11月24日 – 1955年11月1日)という方がいました。もしかすると「カーネギー」と聞くと、「カーネギーホールの?」と思われるかもしれませんが、カーネギーホールは、鉄鋼王といわれた「アンドリュー・カーネギー」が建てたものです。
さて、デール・カーネギー氏の著書に『人を動かす』というものがあります。その最後に著者の紹介が載っています。
アメリカの著述家、教育者、実業家。ミズーリ州の農家に生まれる。地元の教育大学を卒業後、セールスマンや俳優などを経て、ビジネスマンを対象に話し方教室を開いて好評を博す。その後、ニューヨークにデール・カーネギー研究所を設立し、累計約45万人の受講生に人間関係の原則などの成人教育を行う。代表作の『人を動かす』と『道は開ける』は自己啓発書の金字塔として合計2000万部以上の売り上げを記録し、今もなお世界中の人々に読み継がれている。
私は、『人を動かす』の表紙のイラスト(デール・カーネギー氏)を見て、「あ!どこかで見たことある!」と思ってこの本を手にした一人です。その中の1ページ…
「自分のことばかり話すと嫌われる」
人々に疎(うと)んじられ、陰で笑われ、軽蔑されたいなら、いい方法を教えよう。相手の話にじっくり耳を傾けずに自分のことばかり話し、言いたいことがあれば、相手に最後まで話をさせずに口をはさみ、自分のほうが賢いと思って相手を見下し、遠慮なく話をさえぎって自分の主張を展開するのだ。
あなたの周りに、こんな馬鹿げたことを実行している人はいないだろうか?
残念ながら、私の周りにはそういう人が何人かいる。しかも驚くべきことに、そのうちの何人かは著名人だ。彼らは人々をうんざりさせるのが得意だ。自分が偉いと思い込んで、すっかり傲慢になっているのだ。自分のことばかり話している人は、自分のことばかり考えている。さらに、コロンビア大学のニコラス・バトラー学長に言わせると、「自分のことばかり話している人は、たとえどんなに教育を受けていようと、どうしようもなく教養がない」のである。
人とのコミュニケーションが上手になるためには、自分が話すこと以上に「聞き上手」になることが大切であると様々なところでいわれています。また、ニコラス・バトラー学長の言葉を見て、この言葉も思い出しました。
「本当に教養のある人とは、人の気持ちのわかる人だ」
これは私が以前、養老孟司さんの講演会に参加したとき、養老さんが有名な東京大学名誉教授の言葉として話されたものです。共通することは、どんなに知識や実績があったとしても、結局は人間性が問われているということなのだと思います。
ついつい、わかってほしくて、聞いてほしくて自分のことばかり話そうとする自分を反省しました。聞くこと…大切にしたいです。