【4月26日】壮大な宇宙
- 公開日
- 2024/04/26
- 更新日
- 2024/04/28
校長のひとりごと
今日も朝から出張です。なかなか学校にじっくりといることができなくてもどかしい気持ちですが、先生方がしっかりと子どもたちとともに頑張ってくれているので、私も今日は別の場所で自分の役割をしっかりと果たさなければと思います。
さて、今朝の西日本新聞『春秋』からです。
人は昔から、夜空を見上げていた。鎌倉時代を代表する歌人、藤原定家もそうだった。最近も直筆の書物が見つかり、話題になっていたが、彼の日記「名月記」には、多くの天文現象がつづられている。1054年の「超新星爆発」についても触れていた。太陽の質量の何倍もある星が、その一生の最後に大爆発を起こした。昼間でも肉眼で見えたらしい。中国の文献にも記録が残っている。米国の先住民が壁画に描いたという説もある。そんな夜空が近頃、暗さを失いつつあるのだという。人工衛星が爆発的に増えたせい。衛星に太陽光が反射して、天体観測に悪影響が出ている。いわゆる「光害(ひかりがい)」である。小型の衛星を比較的低い軌道にたくさん打ち上げる、「衛星コンステーション」と呼ばれる運用が広がったことが背景にある。米国ではスペースX社が、地球上どこでもつながる衛星通信網の構築を進める。中国も独自の整備を急ぐ。衛星通信は能登半島地震の被災地でも威力を発揮した。地球規模の気候変動を観測する上でも有用だ。需要はますます増えるだろう。効率一辺倒ではなく夜空の暗さを守る方法はないか。知恵を絞りたい。定家が記した超新星の残骸は後に「かに星雲」と命名された。私たちが見上げる夜空のかなたで今も毎秒千キロほどの速度で膨張を続けている。中世の宮廷歌人とのつながりを夜空に探す。そうした楽しみは残したい。
小学生のとき、近くに向かってくる「ピーポーピーポー」という救急車のサイレンが、通り過ぎると音程が変わることが不思議でした。遠くの空に稲光を見つけて、しばらくして「ゴロゴロ」と音がすることが不思議でした。夜空にきらめく星。その中には何年も何十年も前に消滅した星もあることを知って不思議で仕方がありませんでした。ある人から、「今この瞬間に太陽が爆発したとしても、私たちが気づくのは8分後だよ」と言われ、意味がわかりませんでした。しかし、いろいろな勉強をしていくとその理由がわかって、とても感動したことを覚えています。と、同時に自分自身が知らないこと、まだまだわからないことがいかにたくさんあるかを思い知らされました。日常の小さな世界では、光の速度が速すぎるため(約秒速30万キロ)、光の波(粒子)が進んできていることを意識することはありません。そして、光の波(粒子)が目のフィルタの働きをする角膜を通り、虹彩・瞳孔で目の中に入る光の量を調整し、レンズの役割を持つ水晶体を通ってピントを合わせ、フィルムの働きをする網膜に到達。網膜で電気信号に変えられ、視神経を通って脳の視覚中枢に伝えられてはじめて「物が見える」ということになります。それが一瞬で行われているわけですから、私たち人間の仕組みも凄いですよね。また、私たちの日常では、光の速度を意識できませんから、「時空間」の意識もありません。宇宙規模で考えてみると、私たちの住む地球はあまりにもちっぽけに思えますし、宇宙がいかに壮大かが少しわかってきます。
いろいろと調べると、私の理解を超えるようなことがたくさんあります。しかし、そんな難しいと思えるようなことを、多くの方が生涯をかけて研究されています。この地球を大切にするために、人々の命を、未来を大切にするために研究をされています。子どもたちにもこれからたくさんの「学び」をしていき、それぞれの分野で、世の中に貢献できるような「人財(じんざい)」に育っていってほしいと願います。