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【1月9日】“思い”

公開日
2025/01/09
更新日
2025/01/09

校長のひとりごと

 今朝6時半頃に学校に向かうとき、外の気温は4℃…、雪がちらついていました。報道では、「今季最強の寒波が押し寄せている」と。気象庁と国土交通省が緊急発表を行い、不要不急の外出を控えてほしいと呼びかけていました。大野城市の天気予報では、今日の最高気温は5℃、「曇り時々雪」、1時間ごとの予報では、午後3時頃から夜まで「雪」となっていました。明日の最低気温は「-2℃」…。朝、道路凍結とかであれば出勤できるのだろうかと不安になります。日本全体を見渡せば、青森などでは、年末から例年の3倍以上の雪が降り、除雪作業などの事故ですでに4名の方が亡くなられている状況です。昨年大地震のあった能登半島は、24時間降雪量が平地で30センチと予測されています。そのため、自身で損傷した家屋に雪の重みで倒れる懸念が出てきたとの報道もあっていました。本当に心配です。いつまでこんなにも暑い夏が続くのかと思いきや一転して、最強寒波や大雪…。命に関わるような気候になっています。くれぐれもこれ以上の被害が出ないように祈るばかりです。

 さて昨日のひとりごとは、始業式で話をした稲盛和夫さんの「成功のための方程式」についてお伝えしました。本日も関連して稲盛さんが、学校や企業などで講演をされた内容を集めて書かれた本『迷わない心のつくり方』からです。母校である鹿児島玉龍高校で、「君の思いは必ず実現する」というテーマで講演され、「思い」の大切さ、素晴らしさについてこんなことを話されています(一部抜粋要約)。


 私はこれまで82年にわたる人生を通じて、心にどのような「思い」を抱くかで、人生そのものが決まっていくのだということを幾度も経験してきましたし、そのことはこの世の真理であると確信しています。「思う」ということは、いったいどういうことか?

 我々は一般に、物事を論理的に組み立てたり、頭で推理推論することが大切であり、「思う」ということは誰にでもできることなので、大したことではないととらえています。しかし、この「思う」ということは、論理的に推理推論するよりもはるかに大事なもの。我々が生きていく中で、この「思う」ということほど、大きな力を持つものはないと私は信じています。今日お集まりの在校生のみなさんも、勉強ができる、頭がよいということが大事と思われているかもしれません。もちろん、それもとても大事なことですが、心にどのようなことを「思う」かということは、それよりもはるかに大事だということを、多くの人は気がついていません。しかし、実は、この「思う」ということが人間のすべての行動の源、基本になっているのです…。


 稲盛さんは、これを二つの側面からとらえておられます。

◆日常生活の中で抱く「思い」の集積されたものが、我々の人間性、人柄、人格を創り出している。「自分だけよければよい」というえげつない「思い」でいると、えげつない人間性、人柄、人格になる。逆に、思いやりに満ちた優しい「思い」でいると、知らず知らず、思いやりにあふれた人間性、人柄、人格になる。

◆「思い」の集積されたものが、その人に合った「境遇」をつくっていく。あるいは「運命」をつくっていく。


 上記の二つの側面と、こんな側面もあるとおっしゃっています。

◆人間の「こうしたい」「こういうものがあったら便利だ」「もしこういうことが可能ならば」という強い「思い」によって、様々な発明や発見などがなされ、現在の文明社会が創り上げられてきました。ですから、軽いことだと思われがちな「思いつき」も大事。「思いつき」が発明発見の原動力となり、今日の科学技術を生み出したのです


 このように「思う」ということが物事の出発点であり、人間の行動は、まず心に「思う」ことから始まる。この「思う」ことがなければ、人間は何も行動を起こすことができない。ですから、「思う」ことはとても大事である…そう、稲盛さんは教えてくれています。

 昨日もお伝えしましたが、やはり「こうありたい」「こうしたい」「こうなりたい」と「思う」ことが大切であり、そういう「思い」を持ち続け、努力し続けることが成長、成功への“カギ”となっていくのだと改めて思います。その「思い」は、“夢”や“志”でもあると思います。子どもたちには、「どうせ自分なんて…」とは決して思わず、「こうなりたい」「こうありたい」、そして「きっとできる!」という強い「思い」を持って、一日一日を大切に過ごしていってほしいと思います。