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【3月10日】時間とは?

公開日
2025/03/10
更新日
2025/03/10

校長のひとりごと

 3月8日付、読売新聞のコラム『編集手帳』からです。


 ♪おじいさんといっしょにチクタクチクタク~童謡「大きな古時計」にあるこの擬音語は、西洋から柱時計や腕時計がはいったあと、次第に定着したらしい。

 物理学者の寺田寅彦が昭和初期の随筆「耳と目」に〈枕もとの時計のチクタクだけが高く響く〉と書いている。精巧な部品からなる機械仕掛けの時計が、その内部より響かせる音である。現代の最新鋭の時計は、内部が光と原子からなるそうだ。東京大学の香取秀俊教授らが発明した「光格子時計」が実用化された。島津製作所が1台5億円で販売を始め、国内外の研究所などから問い合わせが来ているという。レーザーの光で卵のパックに似た格子状の空間を作り、そこに原子を閉じ込め、振動を基に時間を計る。卵パックまでしか想像がもたないが、頼もしいのは防災への活用である。誤差「100億年に1秒」という極めて精緻(せいち)な特性を、火山や地殻変動の観測に応用し、噴火や地震の予知を前進させる期待がある。世界一正確な時計は高さ1メートル余り、重さは200キロもある。居間には不向きだが、みんなの安全といっしょに時を刻んでもらいたい。


 毎日、当たり前に見たり使ったり、気にしたりする「時間」。さて、「時間」とはどうやって決められているのか、十分に説明できる方がどれくらいおられるでしょうか?朝日中高生新聞から抜粋要約して載せます。

 時間を決めるには、自然にある一定のリズムを刻むものを使います。昔は地球の自転をもとに、1周にかかる時間を24時間とし、1秒の長さを計算しました。しかし自転のリズムが一定ではなかったので暦が少しずつずれてきました。現在は、すべての物質のもとである原子を基準にする「原子時計」を使っています。セシウム原子から出た電磁波がおよそ92億回のリズムを刻んだら、1秒と決められています。その正確さは3千万年に1秒ずれるかどうかです。そのずれをもっと小さくすることに挑んでいる研究者の一人が、コラムにある東京大学の香取秀俊教授というわけです。香取先生の発明した「光格子時計」を、島津製作所がより小型化して作ったのが、「イーサクロック」という製品だそうです。

 過去の歴史をたどっていくと、たくさんの物理学者や数学者、哲学者、天文学者など、様々な人が「時間」について研究してきました。その中で最も影響を与えているのがアインシュタインの「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」です。「特殊相対性理論」では、止まっている人から見ると、光速で動いている人の時計が示す時間は遅れるということです。さらにその理論を発展させた「一般相対性理論」では、重力も時間の進み方を変化させるということです。この考え方を利用しているのが全地球測位システム(GPS)で、人口衛星が地上へ正確な時間を伝達することで、地球上の正確な位置を測定していますが、地球から離れた所を周回している分、重力の影響を受けにくく、地上よりも時間の経過は早くなります。このため、衛星側の内蔵時計は毎秒100億分の4.45秒遅く進むように調整されているそうです(う~ん…難しい…)。

 「重力がちがうと時間の進み方が変わる」ということを利用し、時間をより正確に計ることができれば、重力の強さの変化も知ることができます。この仕組みを利用した重力センサーを開発すると、コラムにあるような地震予知や石油資源の発見などもできると言われています。このように人生をかけて、探究、研究をしてくれる方々がいるおかげで人類は発展してきました。便利な生活が送れています。そんな素晴らしい発見や発明のすべてが、私たち人類の平和や安心・安全につながっていくようになればと思います。


 「時間」というものを改めて考えると、あまりにも奥が深く、難しいところもたくさんありますが、それでも大切な「時間」…一人一人、大切にしていきたいですね!