【3月11日】私にできることは?
- 公開日
- 2025/03/11
- 更新日
- 2025/03/11
校長のひとりごと
今日は、東日本大震災から14年目。学校でも朝の会等でそのことについて、担任の先生方から話をされます。また、授業中ではありますが、14時46分には全校で黙とうを捧げます。
3月9日付、読売新聞のコラム『編集手帳』からです。
かつて現場で使っていたノートを読み返すことがある。岩手の特養老人ホームに勤める女性に取材させていただいた。強い揺れの後、入所者を庭に運んだところで「津波だ!」という叫び声を聞いた。お年寄り67人に対し、職員は10人しかいない。1人1台の車いすを押して坂道を駆けあがった。引き返して残りの50余人を助けることはできなかった。ご遺体を引きわたし、家族に声をかけられなかった自分を責めていた。
東日本大震災から14年たち、記憶を継ぐ活動に変化が出ている。東北の傷跡が残る施設を訪ね、体験を聞く人が減った。風化の懸念を軽くしてくれる記事を読んだ。物心つかない頃に被災した人々が語り部に育っている。宮城の男子中学生はビニールハウスで寒さをしのいだと家族に教わり、震災の教訓をSNSで発信する。福島沿岸部の津波を聞き歩き、動画にまとめた女子中学生もいる。
高校教師で福島の詩人、和合亮一さんが小学校で講演した言葉を引く。
「自分たちはリレー第1走者、皆さんは第2走者…100年続けば何かは変わる」。
語り継ぐとは息の長いチーム戦なのだろう。
さらに、本日の読売新聞1面には次のことが載っていました。
関連死を含む2万228人の死者・行方不明者を出した東日本大震災は11日で発生から14年となる。被災地では人口流出や復興事業で整備された施設の維持などに加え、がれきからみつかった遺留品の保管も課題となっている。引き取り手のない遺留品は少なくとも47万点に上っており、自治体は経年劣化や保管費用の負担に苦慮している。
…(中略)…
警察庁や復興庁などによると、関連死はこの1年で6人増の3808人。避難者は1713人減ったが、現在も2万7615人に上っている。東京電力福島第一原発の事故を受け、福島県民が9割ほどを占める。
コラムや記事からもわかるように、14年経っても震災は終わっていません。まだまだ続いているのです。東日本大震災後、熊本地震や能登半島地震などが起こり、多くの被害が出ており、その復興や復旧もまだまだです。ですから、私たちは「風化」させてはいけないのです。伝え続けること、語り続けることが大切です。そして、「いつ、どこで、誰に起きるかわからないこと」として捉え、準備や備えはもちろんのこと、自分ができることを今後も続けていくことが大切なのだと思います。また、「当たり前のありがたさ」、「命の大切さ」などについても考える日でありたいと思います。
マザーテレサがこんなことを言っています。
「私たちは、この世で大きいことはできません。小さなことを大きな愛をもって行うだけです」
私にできることは?…改めて考える日でありたいと思います。