【3月13日】最善
- 公開日
- 2025/03/13
- 更新日
- 2025/03/13
校長のひとりごと
3月10付、日本教育新聞のコラム『不易流行』からです。
啓蟄(けいちつ)の候。冬眠していた生き物たちが長い眠りから覚め、活動を開始する季節である。学校教育も啓蟄を迎えている。長年実施されてきた講義中心の一斉授業という眠りから覚め、主体的・対話的で深い学び舎個別最適な学び、協働的な学びへと転換し始めた。大学入試も選抜という呪縛から目覚め、育成を重視する入試へと転換する季節を迎えている。
学校は、学年末の成績処理や指導要録等の整理、卒業式準備等で慌ただしい時期。業務効率の改善や目標達成を目的としたPDCAマネジメントサイクルのCheck(評価)を行い、Action(改善)につなげる時期でもある。日々の業務で多忙を極める中、1年間の評価を行い、改善を図ろうとしている。
民間では、より短いサイクルでの改善が行われている。しかし、自然や生命体のリズムは太陽の周期と同じ1年単位が多い。活動を停止する冬という時期があるから、活動を開始する啓蟄があり、豊かな実をつける秋がある。生命体のリズムと社会から要請されるリズムとの折り合いをどうつけるか。
人はつまずき、くじける停滞期を経て大きく成長する。教師には子どもたちを見守る余裕が必要である。効率性では測れない長い時間や無駄に見える関わりが、子どものやる気スイッチを切り替える。学校制度をどう変えればよいか。
二十四節気の日付は固定されたのではありません。2025年の啓蟄は3月5日、そしてその期間は3月20日の「春分」まで、すなわち3月5日~3月19日ということになります。「啓蟄」と「春分」はどちらも春の訪れを指す言葉ではありますが、「啓蟄」は虫たちが活動し始める時期を指し、「春分」は昼と夜の長さがほぼ同じになる日というところが違います。ですから、「啓蟄」は自然の息吹を感じ、生き物の活動を通して春が来たことを実感しつつ、新たな気持ちでスタートを切るきっかけになるのかもしれません。
学校では、本年度を総括し来年度の様々な教育活動等の計画について、職員で共通理解をしているところです。もちろん、(3年生は卒業しましたが)1、2年生の子どもたちの残りわずかな3学期の締めくくりをよいものとなるように、最後の取組や活動も精一杯取り組んでいます。また、コラムにあるように、先生方も様々な工夫をし、ICTも活用しながら子どもたちの「主体的な学び」になるような授業づくりに努めています。
授業改善はもちろんなのですが、学校教育においては様々な課題が山積しています。その解決のためには時間も必要です。何より、子どもたちと向き合う時間、関わる時間が少しでも増えるよう、業務改善や時制の工夫等も行いながら進めているところですが、学校単独では難しいことも多々あります。議論はされていますが、市として、県としてだけでなく、何より国として学校教育をどうしていくのかも非常に大切です。
すべての子どもたちの笑顔と未来のために、まずは目の前にいる子どもたちのために「今、何ができるかを考え」、“最善”を尽くしていきたいと思います。