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【9月26日】一人じゃない

公開日
2023/09/26
更新日
2023/09/26

校長のひとりごと

 本校の教育目標は「自律貢献〜志としなやかな心をもち、地域・社会に貢献できる生徒の育成〜」としています。
 「志」とは、単なる個人の願望や夢を超えて“人々のために”“人の役に立ちたい”という気概であり、厳しくも明るい未来へのチャレンジ。また、挨拶や掃除など日常の小さなことに感謝や誠意をもって継続して取り組むなどの「凡事徹底」が基盤となります。また、「しなやかな心」とは、志をもって自分を律しながら常に学び続け、様々な課題に対し周りと協働して粘り強く取り組む心や姿勢のことです。そのときに必要なやり抜く力(GRID)や耐性、そしてレジリエンス(回復力・適応力・弾性)、寛容な心なども指します。「貢献」とは、人のために行動する、相手意識をもって行動するということです。すなわち、周りの人への思いやりや目配り・気配り・心配りができるということ。さらには、学級や学校のために貢献することはもちろんのこと、利他の心をもって地域・社会に継続して貢献し、活躍できる生徒の育成を目指しているということです。この「志」と「しなやかな心」を一言で表し「自律」、そして「貢献」とあわせ『自律貢献』を目標としています。そして、その目標を達成するために、3つの重点「学力・体力の向上」「社会性の向上」「未来志向力の向上」をあげて、教育活動に取り組んでいます。
 前置きが長くなりましたが、その中の「未来志向力(物事を考える視点を未来に置き、そこから現在を振り返ることによって、いま起こしたいアクションややるべきことを考え、実行する力のこと)の向上」の一つとして、今年度から始めたのが『にんげん学』です。
 これは、教師の様々な経験等(学生時代の話、人生で一番心に残っていること、私の大失敗、失敗から学んだこと、なぜこの職についたか、私が大切にしていること…)を大人として、また同じ人間としての立場で子どもたちに語ることにより、子どもたちに勇気や希望を与える時間にしたいと考えています。教師の思いを語ることによって、子どもたちが未来へ向けて志をもったり、頑張る原動力となったりすることを目指し、実施しています。決して、指導や説教の時間にならないようにと、先生方にお願いしています。
 いろいろな先生の話を聞くことが、子どもたちに学びになることはもちろん、私たち教師にとっても先生方の話は、新しい発見や気づき、そして新たな学びとなっています。話されることで、その先生の人柄や人となりがにじみ出てきます。ですから、私自身にとっても、とても楽しみな時間です。今回で3回目ですがこれから、「次は誰が話してくれるのかな?」と子どもたちが楽しみになり、そして、勇気や元気、希望が沸いてくるような時間にますますなっていけばと思っています。

 トップページにも載せていますが、今日の『にんげん学』で話してくれた古賀ひかり先生。経験してきた遠回りや苦労こそが、古賀先生が成長するための「糧(かて)」であったし、そんな経験によって、人間力を高めていき、「今」があるのだと思います。
 子どもたちが退場するときに、ある3年生の子に「“にんげん学”、楽しみ?」と聞くと「はい!古賀先生の今日のお話のことも初めて聞きました!」と笑顔で答えてくれました。こういう時間でないとなかなか聞けない先生方自身の話。そんな話の中から、子どもたちが少しでも刺激になったり、共感したり、感動したりしながら、勇気や元気をもらい、自分の未来を切り拓いていってくれたらと願っています。子どもたちには、古賀先生の今日最後の言葉を胸にこれからも様々なことにチャレンジしてほしいと思います。

「皆さんも、つらいこと、きついことあるかもしれないけど、そのときも逃げずに乗り越えてほしいです。周りには、きっと助けてくれる人、支えてくれる人がいます。皆さんは一人じゃないですから…」